調査データから
2008年都市生活者調査(2) 「QRコード」


読売新聞が2008年9月に実施した「都市生活者Web調査」の首都圏(1都8県)の結果から、今回は「QRコード」に関するデータを紹介する。
携帯電話のQRコード読み取り機能が標準的に装備され、商品パッケージや各種印刷媒体でQRコードを目にすることも多い昨今、生活者のQRコードの活用状況と今後の可能性を探る。



①約半数が「パケット定額制」に加入

まず、携帯電話でのインターネットへのアクセス傾向において影響が大きいと思われる、「パケット定額制」への加入状況を尋ねたところ、46.9%が加入していると回答(図1)。若年層ほど加入割合が高く、18~29歳では60.1%。30~39歳も52.1%と、半数を超えた。

「パケット定額制」プラン加入状況


②携帯電話所有者のおよそ6割がQRコード利用経験あり
 パケット定額制加入者では、7割を超す

携帯電話所有者に尋ねたQRコードの利用状況では、「よくアクセスする」人は10.6%(図2)。「アクセスしたことはある」という人は47.6%で、合計で58.4%が利用経験ありと回答。
QRコード利用可能者(81.6%)に限ると、利用経験は7割に達する。
年代別に見ると、若年ほど利用経験率が高く18~29歳では75.9%が利用経験あり。年代が上がるにつれて利用経験は低下するものの、60~69歳でも24.6%が利用した経験を持つ。高年層も携帯電話の機能を活用している人が増えつつある様子がうかがえる。

性別・年齢別 「パケット定額制」プラン加入状況

パケット定額プランの加入状況別に見ると、加入者の方が利用経験率も高く、「よくアクセスする」人が17.3%、「アクセスしたことがある」人を合わせると71.4%に上る(図3)。パケット通信料を気にせず、気軽にQRコードを使用している姿が想像できる一方で、非加入者が4割いる現状を考えると、パケット定額制非加入者でも気軽にアクセスできる料金に見合ったコンテンツやサービスの提供の必要性も考えられる。

パケット定額制加入状況別「QRコード」利用状況


③QRコード利用経験ベスト3は「雑誌」「インターネットの画面に表示されたもの」「チラシ」

QRコード利用経験者が読み取ったことがあるQRコードは、「雑誌」が58.4%と最多(図4)。「インターネットの画面に表示されたもの」が51.8%で続く。

読み取ったことのある「QRコード」

性別で見ると、「商品パッケージや説明書」では15ポイント程度、「チラシ」でも10ポイント程度、男性を女性が上回る。男性に比べ女性の方が、より生活に密着した場面でQRコードを活用していることが推測できる。
年代別で見ると、「雑誌」「レシート」では若年層ほどスコアが高い一方で、「新聞」は逆に高年層ほどスコアが高い傾向が見られる。「新聞」にQRコードを組み合わせることが、高年層のアクセス喚起において有効な手段となり得ると言えそうだ。

性別・年齢別 読み取ったことのある「QRコード」

「新聞」のQRコード読み取り経験者の購読新聞を見てみると、読売新聞が47.8%となっており他紙を大きく上回っている。

「新聞」のQRコードを読み取ったことがある人の購読新聞


④「割引クーポン」「商品や企業のキャンペーンサイト」での利用が7割

QRコードを使ってアクセスしたコンテンツとしては、「割引クーポン」がもっとも多く、QRコード利用経験者の70.8%が挙げた(図6)。「商品や企業のキャンペーン」も、ほぼ同率の69.4%。

QRコードでアクセスしたサイトや情報

全体で見ると差がほとんどない「割引クーポン」と「商品や企業のキャンペーン」であるが、性別・年代別で見ると、それぞれ傾向が異なる。
性別では、「割引クーポン」は男性より女性が10ポイント以上高いスコアとなっており、“お得な情報”に対して、より女性の方が敏感である様子がうかがえる。
年代別では、18〜29歳、30〜39歳で最多の「割引クーポン」は、年代が上がるほどスコアが低下する一方、「商品や企業のキャンペーン」は年代による差は小さい。

性別・年齢別 読QRコードでアクセスしたサイトや情報


⑤興味がなくてもQRコードがあったからアクセスしたことがある人、2割
 興味があってもQRコードがないためにアクセスしないことがある人、4割

QRコード利用経験者に、興味があまりないサイトでもQRコードがあったことでアクセスしたことがあるかどうかを尋ねたところ、「よくある」「たまにある」を合わせて20.4%であった(図7)。
QRコードがあることで、サイトへのアクセスを誘引できる可能性が垣間見える。また、18~29歳では3割近く、若者をターゲットにする場合、QRコードがより力を発揮しそうだ。

QRコードによるあまり興味がないサイトへのアクセス

一方、興味があるサイトでも、QRコードがないためにアクセスしなかったことがあるかどうかについては、「よくある」「たまにある」を合わせると41.4%(図8)に達する。「まったくない」という人は23.4%だった。
QRコードを掲載しないことで、関心者のアクセスを取りこぼすことがあり得るようだ。

QRコードがなかったためにアクセスしなかったこと


⑥QRコードを使ってのアクセスは、即時性のあるコンテンツに関心

携帯電話所有者に、今後、QRコードを使ってアクセスしてみたいと思う情報を尋ねたところ、トップは「旅先の天候や混雑状況」で32.8%(図9)。ほかに「買い物の特売情報」(31.8%)、「今いるところの地図や近隣情報」(31.8%)、「運休や遅延などの交通情報」(30.5%)などが上位となり、より即時性が高い情報について、QRコードを利用してみたいと考えているようだ。

今後、QRコードでアクセスしたい情報

また、各項目とも若年層ほどアクセス意向が高い傾向となっており、若者をサイトへ誘導、キャンペーン等へ巻き込んでいく上でのQRコードの可能性に期待できる。

性別・年齢別 今後、QRでアクセスしたい情報


⑦利用しない理由で最多は「パケット通信料が気になる」

最後に、携帯電話にQRコード読み取り機能があるのにQRコードを読み取ったことがない人を対象に、利用しない理由を尋ねたところ、「特に理由はない」(27.4%)を除くと、「パケット通信料が気になる」がトップで22.4%(図10)。

QRコードを使ったことがない理由

パケット定額制加入状況別に理由を見てみたところ、非加入者では「パケット通信料が気になるから」を挙げる人が31.8%に上った(図11)。今後の定額制への加入者の増加が、利用者の増加にも繋がりそうだ。
一方、加入者では「QRコードを使わなくても、URLや検索ワードで事足りているから」が23.7%で最多。「QRコードを使ってまでアクセスしたいサイトや情報がないから」が20.1%で続く。QRコードを活用した新たな仕掛けやコンテンツの充実が、これらの人を動かす鍵となりそうだ。

パケット定額制加入状況別 QRコードを使ったことがない理由


(藤木)
調査概要:2008年都市生活者Web調査

調査期間 2008年9月8日〜18日
調査地域 1都8県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県)
調査対象 満18〜69歳の男女個人
サンプル数 2000
サンプリング インターネット調査パネルを基にした割当法(性・年代別)
調査方法 インターネット調査 
調査企画・設計 読売新聞東京本社
レターヘッド・実査 NTTビジュアル通信(株)